目次
老犬のおすすめスタイル
犬の老化現象の代表的なトリミングでの問題
①心疾患
②筋力の低下、膝や腰の関節炎により立てない
近年では犬の高齢化も進んでいます。
昔は小型犬でも13歳14歳となるとご長寿といった感想ですが最近では15歳を超えるワンコもたくさんいて中には20歳近く生きるワンコもうちのお店にもたくさんご来店いただいています。
人間社会と同じで飼育環境の改善や医療の発達により犬も高齢化の時代となってきました。
寿命が伸びたからといっても体の老化は同じように進んでいます。また健康に長生きできているのかといえばそうではないケースも多く心臓疾患や闘病を続けながらの生活が長年続いてるワンコもたくさんいます。
そんな中で美容の内容の変化をどのように考えてあげると良いのかトリマーの立場からアドバイスできればと思います。
老犬のトリミングにおいて上記の2点気を考慮して気を付けないといけないことは
- シャンプードライングによる心臓への負担を軽減すること
- 立止の姿勢による肉体的負担を軽減すること
トリマーは主にその2つがクリアできるかどうかでトリミングをするかどうかを決める判断基準となります。正しい判断ができないと最悪の場合トリミング中に死亡するという悲しいアクシデントが起こります。
例えば、老犬であるにも関わらず長く毛を残したい、ふわふわに仕上げたい、またプードルなどでショークリップなどの特殊カットをして欲しいなどということはどちらの条件も実現不可能です。
まず毛が長いと毛玉になりやすいです。
そうするとブラッシングに時間がかかります。
毛玉があること自体も蒸れたり引っ掻いたりして皮膚トラブルの元ですが、毛玉を解くためのブラッシングは皮膚に負担をかけ時間をかけ犬への負担へつながります。
そしてコートが長い分、シャンプーも時間がかかりドライングも時間がかかります。
足腰が弱っていることが多い老犬を長時間立たせてカットしたり、心肺機能が弱っている老体に体温の急激な上げ下げのあるシャンプードライングを長時間行うことは命を削る苦痛でしかありません。
愛犬が高齢になったら見た目の可愛さや自己満足を満たすカットスタイルではなく、短時間で犬が楽なスタイルを優先してください。
高齢犬にあったスタイルは?
具合的にスタイルを提案していくと、ずばり全身バリカンです。
全身バリカンを勧める理由は
- 犬を立たせなくてもできる
- シャンプーも5分で終わりドライングも10分以内で終わる
- 次回の美容の間隔を開けれる
- お家でのシャンプーでもタオルドライで乾く
- 毛玉を無視してバリカンで落とすのでブラッシングを省略できる
以上から全身バリカンがお勧めする理由です。
全身バリカン
実際の全身バリカンスタイルのワンコの写真です。
体を2ミリ、もしくは3ミリの全バリにしたスタイルです。
お顔は丸く残している子もいればお顔もバリカンで短くしている子もいます。
当店でツルリンコスタイルにしているワンコたちですが皮膚トラブルや飼い主さんの好みで老犬だけでなく成犬ワンコも混ざっています。
見た目は足が細くなりお洒落とは言い難いですがどの子もスッキリして衛生的に過ごしやすそうです。
もちろん10歳に満たなくても心臓が悪い、足腰が悪い犬もいれば、10歳を超えても心臓も腰も悪くない若々しい犬もいます。基本的には年齢で判断することが多いですが、それだけに頼らず犬の状態も加味して判断しましょう。
ご自分の愛犬が今どのような状態にあってどのようなトリミング内容が適しているのか常に考えてベストなスタイルを選んであげてくださいね。